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2025.12.22
コラム
給与計算 勤怠管理とは?基本知識を完全解説
給与計算 勤怠管理とは?基本知識を完全解説
給与計算と勤怠管理の基本知識から自動連携システムまで完全解説。効率的な給与計算 勤怠管理の方法とシステム選びのポイントをわかりやすく紹介します。
給与計算と勤怠管理は、企業運営において欠かせない基幹業務です。しかし、法改正への対応や複雑な計算処理に頭を悩ませている担当者の方も多いのではないでしょうか。
「毎月の給与計算に時間がかかりすぎる」「ミスが心配で何度もチェックしている」「勤怠データの集計だけで1日がかりだ」──こうした悩みを抱えている企業は少なくありません。
近年、これらの課題を解決する手段として、システム化やBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)、給与計算代行サービスの活用が注目されています。
本記事では、給与計算と勤怠管理の基本から、最新のシステム活用方法、BPOや経理代行の活用まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。これから人事労務を担当される方、業務効率化を検討されている経営者の方は、ぜひ参考にしてください。
給与計算と勤怠管理の基本概念
給与計算とは何か
給与計算とは、従業員の労働時間や各種手当、控除項目を基に適正な給与額を算出する業務です。
基本給に加え、残業代、通勤手当、各種保険料控除などを正確に計算し、法令に従った給与支給を行います。
給与計算は単なる数字の計算ではありません。労働基準法、所得税法、社会保険法など、複数の法令が関係する専門的な業務です。
計算ミスは従業員の信頼を損ねるだけでなく、税務上の問題や労働基準法違反につながる可能性もあるため、正確性が強く求められます。
また、毎年のように税制改正や社会保険料率の変更があるため、常に最新の情報をキャッチアップし続ける必要があります。このような背景から、多くの企業が給与計算代行サービスやBPOの活用を検討しています。
勤怠管理の重要性
勤怠管理は従業員の出退勤時刻や労働時間を記録・管理する重要な業務です。
適切な勤怠管理により、労働基準法の遵守と正確な給与計算が可能になります。
2019年4月の働き方改革関連法の施行により、企業には客観的な方法による労働時間の把握が義務付けられました。これは、従業員の健康管理と適正な労働環境の確保を目的としています。
勤怠管理が不適切だと生じるリスク
- 未払い残業代の発生
- 労働基準監督署からの指導
- 従業員の過重労働による健康被害
- 企業の社会的信用の失墜
- 優秀な人材の離職
このように、勤怠管理は単なる労働時間の記録ではなく、企業のコンプライアンスと従業員の健康を守る重要な業務なのです。
給与計算の基本的な流れ
基本給の計算
給与計算の第一歩は基本給の算出です。
月給制の場合は契約で定められた金額、時給制の場合は時給×労働時間で計算します。勤怠データから正確な労働時間を把握することが重要です。
月給制であっても、欠勤や遅刻・早退があった場合は、その分を控除する必要があります。また、時給制の場合は、深夜労働(22時〜5時)には25%以上の割増賃金が必要になるなど、細かなルールへの対応が求められます。
正確な基本給計算のために必要な情報
- 雇用契約書に記載された給与額または時給
- 月間の所定労働日数・時間
- 実際の出勤日数・労働時間
- 欠勤、遅刻、早退の記録
- 有給休暇の取得状況
各種手当と控除の処理
基本給に各種手当(残業代、通勤手当、家族手当など)を加算し、社会保険料、所得税、住民税などの法定控除を差し引きます。
この計算には最新の法令知識が必要です。
主な支給項目
- 時間外労働手当(残業代):25%以上の割増
- 休日労働手当:35%以上の割増
- 深夜労働手当:25%以上の割増
- 通勤手当:非課税限度額は月15万円
- 役職手当、資格手当、住宅手当など
主な控除項目
- 健康保険料
- 厚生年金保険料
- 雇用保険料
- 所得税(源泉徴収)
- 住民税(特別徴収)
これらの計算は、料率や控除額が毎年変更されるため、常に最新の情報に基づいて処理する必要があります。
特に所得税は、扶養家族の人数によって控除額が変わるため、従業員からの申告内容を正確に把握することが重要です。
こうした複雑な計算を正確に行うために、多くの企業が給与計算代行や経理代行サービスを活用しています。
勤怠管理の基本要素
出勤・退勤時刻の記録
正確な勤怠管理には、従業員の出退勤時刻を確実に記録する仕組みが必要です。
タイムカード、ICカード、生体認証など様々な記録方法があります。
従来のタイムカードによる打刻は、不正打刻のリスクや集計作業の負担が課題でした。現在では、以下のような方法が普及しています。
- ICカード打刻:交通系ICカードや社員証での打刻
- 生体認証:指紋認証や顔認証による本人確認
- PC・スマホ打刻:テレワークにも対応可能
- GPS打刻:営業職など直行直帰が多い職種に最適
働き方改革関連法により、「客観的な方法」での記録が義務化されたため、自己申告のみでは不十分とされています。上記のような客観的な記録方法の導入が推奨されます。
休憩時間と残業時間の管理
法定休憩時間の確保と残業時間の適切な管理は、労働基準法遵守の観点から重要です。
月45時間の残業上限規制なども含め、適切な労働時間管理が求められます。
労働基準法で定められた休憩時間
- 労働時間が6時間を超える場合:45分以上
- 労働時間が8時間を超える場合:60分以上
また、2019年4月から施行された時間外労働の上限規制では、原則として月45時間・年360時間を超える残業はできなくなりました。
特別条項を結んだ場合でも、年720時間、複数月平均80時間、月100時間未満という上限があります。
これらの規制に違反すると、罰則(6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科される可能性があるため、企業は確実な労働時間管理が求められています。
勤怠管理から自動連携で給与計算できるシステムとは?
勤怠管理システムと給与計算システムが連携することで、手作業によるデータ入力ミスを防ぎ、業務効率を大幅に向上させることができます。
リアルタイムでの労働時間集計と給与計算が可能になります。
従来の方法では、タイムカードの情報を手作業で集計し、給与計算システムに入力する必要がありました。この作業は時間がかかるだけでなく、入力ミスのリスクも高く、多くの企業で課題となっていました。
自動連携システム導入のメリット
- データ入力作業の削減(月に数時間〜数十時間の削減)
- 転記ミスの防止
- リアルタイムでの労働時間把握
- 残業時間の超過アラート
- 給与計算の迅速化
- 法改正への自動対応
自動連携による給与計算方法
自動連携システムでは、勤怠データが自動的に給与計算システムに取り込まれ、設定されたルールに基づいて給与が算出されます。
これにより、計算ミスの削減と処理時間の短縮が実現できます。
自動連携の具体的な流れ
- 従業員が勤怠システムで出退勤を記録
- 勤怠データが自動集計される
- 月末締め後、データが給与計算システムに自動転送
- 給与計算システムが設定されたルールで自動計算
- 担当者が結果を確認・承認
- 給与明細の自動作成と配布
このプロセスにより、従来は数日かかっていた給与計算業務が、数時間で完了するケースも珍しくありません。また、計算結果の正確性も大幅に向上します。
給与計算代行・BPOサービスの活用
システム導入に加えて、給与計算代行やBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスを活用する企業も増えています。
給与計算代行サービスとは
給与計算代行とは、給与計算業務を専門業者に委託するサービスです。
社会保険労務士事務所、税理士事務所、専門のBPO企業などが、給与計算から社会保険手続き、年末調整まで一括して対応します。
給与計算代行のメリット
- 専門性の確保:給与計算のプロによる正確な処理
- 法改正への自動対応:最新の法令に基づいた計算
- 人件費の削減:専任担当者の雇用コストを削減
- 業務の属人化解消:担当者の退職や休暇時でも業務継続
- コア業務への集中:人事部門が戦略的業務に注力できる
- セキュリティの向上:プライバシーマーク取得企業の高度な管理体制
費用相場は、従業員1人あたり月額1,500〜3,000円程度が一般的です。従業員数が多いほど単価は下がる傾向にあります。
BPOサービスの包括的なサポート
BPOは、給与計算だけでなく、勤怠管理、社会保険手続き、採用支援など、人事・労務業務全体を外部委託できるサービスです。
BPO導入のメリット
- 業務の標準化:確立されたプロセスによる安定した品質
- スケーラビリティ:従業員数の増減に柔軟に対応
- コスト最適化:繁閑に応じたリソース配分
- 最新技術の活用:AIやRPAによる自動化
- リスク管理:コンプライアンス体制の強化
経理代行との連携
経理代行サービスと給与計算を連携させることで、給与から発生する会計処理も含めた一貫した業務フローを構築できます。
- 給与仕訳の自動作成
- 社会保険料の会計処理
- 源泉所得税の納付管理
- 人件費の部門別集計
- 月次決算への反映
経理代行を活用することで、給与計算から会計処理までをシームレスに連携させ、月次決算の早期化も実現できます。
自動連携対応の給与計算システムのタイプと選び方
システム選択時は、会社規模、業種特有の要件、既存システムとの連携性を考慮しましょう。
クラウド型は初期費用を抑えられ、オンプレミス型はカスタマイズ性に優れています。
クラウド型とオンプレミス型の比較
クラウド型システムの特徴
- 初期費用が比較的安価(月額数千円〜)
- インターネット環境があればどこでも利用可能
- 法改正への自動対応
- システムの保守・更新が不要
- スモールスタートが可能
オンプレミス型システムの特徴
- 自社サーバーで運用するため、セキュリティが高い
- カスタマイズの自由度が高い
- 独自の給与体系にも柔軟に対応可能
- 初期費用は高額(数百万円〜)
- 保守・更新は自社で対応
システム選定のポイント
- 従業員規模:小規模企業ならクラウド型、大企業ならオンプレミス型が向いています
- 予算:初期費用とランニングコストのバランスを考慮
- 業種特性:シフト制、変形労働時間制など、業種特有の勤務形態に対応しているか
- 既存システムとの連携:会計システムや人事システムとの連携が可能か
- サポート体制:導入時の支援や運用後のサポートが充実しているか
- 操作性:従業員や管理者にとって使いやすいインターフェースか
システム化とアウトソーシングの使い分け
給与計算と勤怠管理の効率化には、システム化とアウトソーシングの両方のアプローチがあります。
システム化が適している企業
- ある程度の従業員数がいる(30名以上)
- 社内に人事・労務の知識を持つ担当者がいる
- 給与体系がシンプルで標準的
- 長期的に内製化を目指している
給与計算代行・BPOが適している企業
- 従業員数が少なく、専任担当者を置けない
- 給与計算業務が属人化している
- 法改正への対応に不安がある
- 人事部門をコア業務に集中させたい
- 急成長中で業務量が急増している
ハイブリッドアプローチ
システムとアウトソーシングを組み合わせる方法もあります。
例えば、勤怠管理はクラウドシステムで自社運用し、給与計算は代行業者に委託するといった形です。
このアプローチにより、勤怠データの可視化と給与計算の正確性の両方を実現できます。
よくある質問
Q: 小規模企業でもシステム導入は必要ですか?
A: 従業員10名程度からでも効果を実感できます。人的ミスの削減と法令遵守の観点から導入をおすすめします。
特に、働き方改革関連法により労働時間管理が厳格化された現在、手作業での管理はリスクが高まっています。クラウド型なら初期費用も抑えられるため、小規模企業でも導入しやすくなっています。または、給与計算代行サービスの活用も検討してみてください。
Q: 導入にはどのくらいの期間がかかりますか?
A: クラウド型システムなら、最短で1〜2ヶ月程度で運用開始できます。データ移行やテスト運用を含めても、3ヶ月あれば十分です。
オンプレミス型の場合は、カスタマイズの内容にもよりますが、半年〜1年程度かかる場合もあります。給与計算代行やBPOサービスの場合は、1〜2ヶ月程度で開始できるケースが多いです。
Q: 既存の勤怠システムと連携できますか?
A: 多くの給与計算システムは、主要な勤怠管理システムとのAPI連携に対応しています。導入前に、既存システムとの連携可否を確認することをおすすめします。
連携できない場合は、勤怠管理システムも合わせて変更することを検討しましょう。給与計算代行業者の中には、様々な勤怠システムに対応している業者もあります。
まとめ
給与計算と勤怠管理は密接に関連する重要な業務です。自動連携システムの活用により、正確性と効率性を両立できます。
働き方改革関連法の施行により、企業には今まで以上に正確な労働時間管理と適正な給与支払いが求められています。手作業での管理には限界があり、システム化や給与計算代行、BPOの活用は今や必須と言えるでしょう。
効率化の方法は大きく分けて以下の3つです。
- システム導入:勤怠管理と給与計算を自動連携
- 給与計算代行:給与計算業務を専門業者に委託
- BPO活用:人事・労務業務全体を包括的にアウトソーシング
システム選定やサービス選択の際は、自社の規模や業種特性、予算を考慮し、複数の選択肢を比較検討することが重要です。多くのベンダーや代行業者が無料相談やデモを提供しているので、実際に話を聞いてから決定することをおすすめします。
また、経理代行サービスとの連携により、給与計算から会計処理までをシームレスに連携させることも可能です。
適切なシステムやサービスの選択で、人事業務の品質向上を実現し、より戦略的な人事施策に時間を使えるようになりましょう。給与計算と勤怠管理の効率化は、単なる業務改善ではなく、企業の競争力強化につながる重要な取り組みです。
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